コラムバックナンバー
アナリティクスアソシエーション 大内 範行
発信元:メールマガジン2023年9月13日号より
私はアウトプットするのが怖い、アウトプット恐怖症があるというコラムを前回書きました。そんな恐怖症を抱えてるのに、なぜアウトプットするのか?という疑問があると思います。
【コラム】アウトプットを続けるデメリットと克服の考え方について
まず結果から見ると、私の場合、アウトプットの効果は極めて高く、私の人生はアウトプットによって大きく変わりました。「アウトプットが成長につながる」と言われますが、最低でも自分の成長、それにプラスして人生が変わるほどの成果が得られると思います。
ただ、だからといって「人生が変わるアウトプットの魔法」などと、まぶしいタイトルで布教活動をするわけではありません。その反対で、結果や見返りを期待しない方がよいと考えていますし、私自身、それは意識していませんでした。
現実には、単に突き動かされるようにチャンスを作り、チャンスの尻尾をつかみ、試行錯誤して書き続けたという状況です。
今回のコラムでは、この点を言語化してみたいと思います。
アウトプットをするモーチベーションはいったい何か?
シンプルに集約すると、それは
「ひとりの人を救うために書く」
という1行になります。
いろいろ試行錯誤をして失敗例もありますが、今まで自分が実践してきたものを振り返ると、よいアウトプットは誰かを救うために書いたものでした。よいアウトプットが組み立てられた時の流れは、おおよそ以下のようなものでした。
1) 最初に疑問や課題を思いつく(同時に解決策がある場合もある)
2) 誰か他の人の疑問、職場やお客様、知人、それらを組み合わせたペルソナの顔に置き換えて思い浮かべる。
3) その疑問や課題解決が十分正しいか、調べたり実践する。
4) 確信を持ったら、その人にとってできるだけわかりやすいアウトプットにする。
ポイントは、自分の中での疑問や思いつきを、具体的な誰か他人に当てはめて、その人のために解決策をわかりやすく書くまたは話す、という進め方です。
一人を確実に助けられれば、実際には同じ課題を抱えた多くの人がいます。
その響き方の強弱は、出してからでないとわかりません。ただ、少しでも結果が実感できれば、次の改善へ動き出すことができます。このやり方で続けると、小さくとも確実に反響が来ます。量よりも、質のある濃い反応が返ってきました。
こうやって言語化してみて気がつきましたが、これは私が心がけてきた、データ分析から改善への実践スタイルと似ています。あるセグメントの数名のユーザー行動=個票を取り出し、じっくりその課題を見極め、N=1 の課題を解決できる仮説を立てて、実践に落とし込む。
この N=1 の方法は、量的な結果に一喜一憂せず、精神的な負担少なく継続できる方法です。アウトプットを始めたいが迷っている、失敗が怖い、続けていく自信がない、と迷っている誰かが、その一歩を踏み出し、積み重ねていくために力になると思います。
アナリティクスアソシエーション代表
個人情報保護士、専門統計調査士
日本アイ・ビー・エム、マイクロソフト、Googleなどを経験。Googleでは2011年から7年間、Googleアナリティクスとダブルクリック広告のマネージャなどを歴任。
2019年からはJellyfish 副社長 VP Analyticsとして参画し、2021年からはアユダンテ株式会社でCSOに就任。
並行して2008年から協議会「アナリティクスアソシエーション (a2i.jp)」代表としてデジタルマーケティングのデータ分析の普及に取り組んでいる。
仕事の傍SEOやアナリティクスの書籍も多数執筆。
主な著書『できる100ワザ SEO&SEM』、『できる100ワザ Google Analytics』、『SEM Web担当者が身につけておくべき新100の法則』など。
2025/06/26(木)
オンラインセミナー「サイトユーザーについて知りたいことをGA4で見る方法 ~アクセス解析の基本思考とレポート活用~」|2025/6/26(木)
このセミナーでは、「アクセス解析において持つべき視点」と、Google アナリティクス 4(GA4)の基礎を学びます。対象は初級者です。 企 …
2025/06/12(木)
【a2i交流会2025】デジタルマーケター大集合!a2i 5年ぶりの交流会|2025/6/12(木)
【追加分満員御礼】【5席追加】追加で5名の申込を受け付けます。定員になり次第受付終了いたします。(2025/6/9) 【満員御礼】増席を検討 …
2025/05/22(木)
オンラインセミナー「生成AI活用、マーケ現場の実践と組織導入のリアル」|2025/5/22(木)
生成AIはマーケターの働き方や組織のあり方を大きく変えつつあります。特に、最先端テクノロジーに日常的に触れるデジタル広告運用の現場では、生成 …
【コラム】生成AI浸透のカギは「組織のキャラクター」 アナグラム中島匠さんに聞きました
アナリティクスアソシエーション 大内 範行アナリティクスアソシエーションでは、不定期にインタビューを行っています。 第三回は、5月22日木曜日に行われた a2iのセミナー「生成AI活 …
【コラム】生成AI検索時代のマーケティングこそ王道マーケティング
アナリティクスアソシエーション 大内 範行生成AI検索が俄かに話題になっています。それに合わせて、LLMOだとか、AIO、GEOと新たな用語が飛び交っています。でも、発売したばかりの …
【コラム】Google AI OverviewでGoogleの検索体験はより快適になる?
アナリティクスアソシエーション 大内 範行日本でも、Googleの検索エンジンで、AI Overviewの表示が増えてきました。 AI Overviewが表示された検索クエリで、クリ …